「ウオッカは牝馬という枠を超えている。この馬の背中は
渡したくない」。
天才、武豊にここまで言わしめた、まさに女傑中の女傑。

【09’東京競馬場】
ヴィクトリアマイルでのウオッカです。
ドバイ遠征では、ジェベルハッタ、デューティフリーと見せ場
なく5着、7着に終わったウオッカ・・・
もう終わったのでは?など、ささやかれる風評も少なからず
ある中、迎えたレース当日。
牡馬も外国馬も、ダイワスカーレットもいない。舞台は過去に
3つのGIタイトルを手にした東京競馬場。
過去、7戦5勝、2着2回の得意のマイル戦ということもあり、
単勝1.7倍の圧倒的1番人気に支持されます。
レースは、ショウナンラノビアが先手を奪い、ウオッカは、5番
手という絶好ポジションでレースを進めます。
淡々としたペースで進む中、勝負所の4コーナー過ぎで各馬
が、いっせいに動きだします。
持ったままで先頭に並びかけるウオッカ。しかし、この日は見
た目以上に、厳しいレースだったのです。
この日の府中は、レースの2時間ほど前から、まともに立って
いられないほどの強風が吹いていたのです。
直線では向かい風。集中力が途切れやすく、パワーのない牝
馬にとっては酷な条件だったのです・・・・・
カワカミプリンセス、リトルアマポーラといった有力馬が伸び悩
むなか・・・・・
風となった馬がいました。そう、ウオッカです。他馬が悪条件に
もがき苦しむ中、馬なりのまま他馬を置き去りに。
あとは一人舞台。ウオッカのウオッカによる、ウオッカのための
レースとはまさにこのこと。
爆発的な末脚を繰り出し、最後は流す余裕もありながら2着に
7馬身差をつけての圧巻V。
この瞬間、メジロドーベルと並ぶG1勝利数歴代最多タイ、獲得
賞金もエアグルーヴを抜いて牝馬の歴代最多に。
マイル戦、それもG1戦でのこの着差。終わってみればウオッカ
の強さばかりが光ったレースでした。




